日本国有鉄道ヤ250型
Oct 6, 2006.
国鉄ヤ250型は操車場構内のカーリターダシステムの設置工事と保守用に使用された建設用車輛です。一種の工事機械に近い車輛ですね。デリックカーと言うか、その種の車輛です。コヤ90も同様ですが、用途が限定されている上に工事・搬入が済んでしまえば時折メンテナンスに使用する以外の使いみちは無いわけで生い立ちからしてなんとなく哀れなものを感じさせます。
下の写真は哀れな者同士と言うか、コヤ90と一緒に並べて塩浜操車場西側の留置線に置いてあったものを撮影したものです。右端にちょっとだけ見えているのがコヤ90の車体の一部です。
ヤ250型自体は、1967年(昭和42年)にカンガルー方式のトレーラー輸送用に試作されたクサ9000型を1972年(昭和47年)に改造したもので、クサ時代は1型式1輛です。ヤ251号と言う相棒もいて、こちらはコキ9200型を1976年(昭和51年)に改造したものです。最大の相違点はヤ250型は単なるデリックカーと言うか、あくまでも貨車であるのに対して、ヤ251の方は装備はほぼ同等乍ら自走できるようになっていると言うことです。自走とは言っても構内移動をするだけのために、わざわざ機関車を用意しなくても済むと言う程度のものなんだとは思います。
配置はヤ250号が塩浜操車場と言うか川崎貨物駅、ヤ251号の方は吹田です。そんな関係もあって、残念ながら川崎市在住のヤ250号の方しか撮影していません。たった2輛しかいない車種なんだから、ヤ251号の方も撮影で来ていればコンプリート出来たのに、、、残念なことをしました。
上の写真の車輛は国鉄ヤ250型ヤ250号。1983年(昭和58年)頃、国鉄塩浜操車場(しおはまそうしゃじょう：神奈川県川崎市川崎区)にて撮影。
ヤ250型ヤ250号が履くTR94台車。ワキ10000の試作車から転用したもののようです。そうか、台車も試作型式は90番台になるんだ、、、。
現在ではこのヤ250型のような車輛は、、、使っているとしてもあくまでも保線機械扱いであって、普通の鉄道車輛としても型式番号は持っていない車輛ばかりじゃないかと思います。軌陸車と言うのか、普通の2tトラック・3tトラックに鉄道の線路を走ることが出来る車輪を持たせた車輛で車載小型クレーンを取り付けてある車輛が、実は建設機械の短期リースをしている会社に依頼すれば借りることが出来るからです。要するに「ユニック付きの軌陸車」が正しくヤ250型と同じ機能を持っていると言えます。
妙にこんな事に詳しいのは、貨物軽自動車運送事業と言う商売の関係でこの種の建設機械をリースしている会社にも出入りする機会があるからです、、、まぁ、それだけの話なので、生憎乍らヤ250型みたいな「ユニック付きの軌陸車」を運転・操作する機会は「全く」ありませんので念のため。
