鉄道模型考古学(松本吉之著)
May 1, 2024.
「鉄道模型考古学」と言う、学術書を思わせるような書名の本で、版元はネコ・パブリッシングです。そのせいもあってか、編集人は「編集長敬白」で有名な名取紀之さんです。良い編集人に恵まれた事も、この本にとって幸いであったと言えるでしょう。確か、同じ著者の本でNゲージ編は複数刊行されている筈ですが、こちらは先行して発売された16番ゲージ(≒HOゲージ)編の方です。16番編は、以下に写真をお目に掛ける1冊のみだった筈です。
これだけの製品をよくもコレクションされたものだと感心させられてしまいます。恐らくは幾許かはご本人が所有されていない模型もあるとは思いますが、それにしても、膨大な数量で壮観です。とれいん誌にも20年位前に同種の記事が連載されていましたが、流石にとれいん贔屓の私でも「鉄道模型考古学」の圧勝は認めざるを得ません。版元品切れのようですが、古本屋を探し回るだけの価値はあると思います。販売店によっては15000円を超えるような値付けをしている店もあるようですが、それは一寸、、、。
古い製品は失われる事はあっても新しく作られる事は無い訳で、そう言った点からもこの「鉄道模型考古学」の史料的な価値が失われる事は無いと思われます。
| 書名 | 鉄道模型考古学 |
|---|---|
| 著者 | 松本吉之 |
| 出版元 | 株式会社ネコ・パブリッシング 東京都目黒区碑文谷4丁目21-13(当時) |
| 電話 | 03-5723-6009 |
| ISBN | 4-87366-078-5 |
| 定価 | 4300円(税込み・発行当時) 本体価格は4175円 |
| 初版 | 1995年(平成7年)3月 |
上の表に記載した内容は、発行当時のモノです。
一つだけ気に入らない点は、この本に限りませんがネコの本は少々判型が大き過ぎますから保管に不便です。「国際判」を標榜しているようですが、あそこまで中途半端に大きな本は、私の知っている外国の出版社では出版していないようです。一体、どこの国を中心として国際云々と言い出したのか興味がある処です。表紙と裏表紙は所謂「複合機」のスキャナ機能を使って読み取りたい、、、と言うか他社の本は原則として表1と表4はスキャナで読み込んでいるんですが、A4用のスキャナでこのサイズは無理なので普通にデジカメを使って撮影しています。
鉄道模型考古学(ネコ・パブリッシング)の表1。
鉄道模型考古学(ネコ・パブリッシング)。タンク機のページですが右下の車輛はカワイモデルのCタンクです。この機関車は自由型と言うことになっていますが、実は立山重工製のナローゲージ用の機関車をオーバースケール化？した車輛で、プロトタイプは尾小屋鉄道のC155です。これ、私が生まれて初めて親父に買ってもらった鉄道模型の動力車です。それ以外は天賞堂のダイキャスト製Cタンク機です。
天賞堂の機関車は全部が同じ格好をしているので判然としませんが、左上が2代目Cタンク機の初期仕様、右上が2代目Cタンク機の後期仕様、左下が2代目Cタンク機のモーガル化仕様(2-6-0仕様)、右下がカワイモデルのCタンク機です。
天賞堂の機関車は全て2代目製品ですが、このページの前のページにアンチモン合金製の初代製品が掲載されています。「このページの前のページに」とか書くくらいならば「前のページ」の写真も併せて上梓すれば良さそうなものですが、このコンテンツを初めて上梓した2005年(平成17年)には「20年後に天賞堂のCタンク機を買い直す事になる」なんて想像すらしていなかったものですから、、、まぁ、見逃してください。
鉄道模型考古学(ネコ・パブリッシング)。
鉄道模型考古学(ネコ・パブリッシング)の日東科学教材の製品の紹介ページ。実は日東科学教材の店舗には50年ほど前に親父に連れられて行った事があります。所在地は神田三崎町だった筈なので水道橋駅の近くでしたが、確かTMSの特集シリーズを買ってもらったんじゃないかと思いますが、流石に記憶が怪しいです。その後に、またしても親父に連れられてピノチオ模型の旧店舗で右上のB凸型機関車の車体だけのジャンクを買ってもらいました。小学生にジャンク車体「だけ」を買い与えて如何しようとしたのかは判りかねますが、この辺りが私が道を踏み外してジャンク屋廻りが好きになってしまう遠因になっていると言う気がします。