LGB製アメリカ型客車用2軸ボギー台車(G)
May 11, 2007.
エルンスト・パウル・レーマン(LGB)の製品で、アメリカ型客車用のプラスチック製台車です。品番は「67380」となります。アリスト・クラフトのGゲージの客車用台車(ART29107)に非常に良く似た外観をしています。レーマンのGゲージの客車には車体長の長いものと短いものがありますが、この台車は車体の長い方の製品群に使用されているものです。短いものの方はアーチバー台車を使用している、、、と言いますか、車体の絶対的な長さがごく限られているので、アーチバー台車程度の軸距離の短いものでなければ床下に収まりきりません。大雑把ですが、本稿で採り上げる台車を履かせた状態で、長い車体の客車のステップに台車が隠れることはありません。短い車体の客車の方は、アーチバー台車のように小柄な台車を履かせた状態でも、台車のかなりの部分がステップに隠れます。
一口にアメリカ型の客車用台車と言っても色々な種類があることは当然ですが、時期的には1800年代後半から1900年代前半に掛けて使用されていたような台車で、いわゆるヘビーウェイト客車になる以前の台車です。日本的にはナハ14000やオハ8500ならば問題なしですが、ナハ22000級ともなるとちょっと車体に負けてしまいそうな印象を受ける程度の規模の台車です。この台車の固定軸距離は67mmです。先ほど引き合いに出したアリスト・クラフトの製品の中には1番ゲージのヘビーウェイト客車用ART29109もありますが、あちらに比べるとペデスタル1個分程度は固定軸距離が短いです。
この台車枠、2個セット(≒1輛分)でビニール袋に入れた状態で、1袋2000円をちょっと出る程度の金額でタムタム千葉店で在庫処分的に売られていました。ドイツ型・オーストリア型中心と思わしきレーマン製品で、アメリカ型客車の台車枠だけが日本国内で簡単に入手できるとは少々以外でした。
Gゲージの定石？通り、ループ型連結器を台車マウントにした状態で販売されています。元来は車輪無しの「連結器付き台車枠」として販売されているのですが、それでは写真を撮った際にサマにならないのでバックマン製の31mm車輪(#92421)を取り付けて撮影しています。
台車枠がエルンスト・パウル・レーマンの製品なのだから、素直に同じ製造元の車輪を買ってくれば済む話ですが、それでは余りにも話が単純明快過ぎて少々面白くありません。何分にもレーマンは2006年(平成18年)と2007年(平成19年)に2回連続して破産したと言う記録の持ち主で、2008年(平成20年)にも再度破産しちゃったら後は無いだろうし、今後のことを考えると、予備の車輪の入手先を物色しておいても良かろうと思い、敢えて他社製車輪を物色してみました。手持ちの車輪を色々と試してみた処、ハートランド・ロコモティヴ・ワークス製の車輪は車軸が長過ぎて使い物にならず、ハートフォード・プロダクツ製の車輪は逆に車軸が僅かに短くて惜しい処で及第点には届かず、一番具合が良かったのはバックマンの車輪でした。
ちょっと判りにくいかもしれないですが、「台車枠」と「ボルスター＋連結器を支える腕」とでは、材質が違うのか素材の色味が違います。「台車枠」の方が素材が灰色っぽく、かなり柔軟です。「ボルスター＋連結器を支える腕」の方は黒っぽくて剛性が高く、デルリンのような印象を受けます。左右の台車枠はビス1本で「ボルスター＋連結器を支える腕」に固定してありますが、片側の台車枠のみ、遊びを持たせて取り付けてあります。この辺りは意図してのことだと思いますが、連結器のある方向を前にして、進行方向左側の台車枠に遊びが持たせてあります。
「ボルスター＋連結器を支える腕」の車輪と接触しそうな辺りに、左右に飛び出した橦木鮫(シュモクザメ)の頭部のような張り出しがありますが、これは車輪の裏側を擦る集電ブラシ？を収納するシリンダのような部分だと思います。
レーマン製Gゲージのアメリカ型客車用台車#67380。
レーマン製Gゲージのアメリカ型客車用台車#67380。
レーマン製Gゲージのアメリカ型客車用台車#67380。
レーマン製Gゲージのアメリカ型客車用台車#67380。
レーマン製Gゲージのアメリカ型客車用台車#67380。