関東鉄道キハ750系？について
June 1, 2016.
700系？と同様に関東鉄道では一度として「キハ750系」と言うような表現はしていないと思いますが、常総筑波鉄道の時代から機能の似た車輛は似た型番にしていますので、こちらも調子に乗って？「キハ750系」と言うことにしておきます。700系の方は自社発注の車輛の方が多いのに対し、こちらの750系の方は全部の車輛が他社からの譲渡車輛です。
小田急電鉄が国鉄御殿場線への乗り入れ用に製造したキハ5000型・キハ5100型と、南海電鉄が国鉄紀勢本線への乗り入れ用に製造したキハ5500型が関東鉄道にやって来た車輛です。どの車輛も優等列車用に使用されていた車輛なので乗客用扉が少なく、小田急の車輛に至っては片側1扉でしかないので、例外なく通勤用改造と言うか乗客用扉の増設が行われています。
いずれも電化私鉄が、観光目的で非電化の国鉄線に乗り入れることを前提として製造した気動車で、乗り入れ先の路線状況に併せて2エンジンの強力気動車です。関東鉄道には2エンジン車でなければ不都合なほどの勾配を持つ路線はありませんが、代わりに付随車(キクハ・キサハ)を牽引させていました。
小田急電鉄キハ5000型→関東鉄道キハ751型
Mar 2, 2007.
関東鉄道キハ751型は小田急電鉄が非電化時代の国鉄御殿場線乗入れ用に作った気動車、キハ5000型キハ5001、キハ5002を譲り受け3扉化改造した車輛で、キハ751とキハ752の2輛がありました。2機関搭載の、この当時としては非常に強力な気動車であったために、同じく小田急からやってきた1600型を改造したキクハを牽引していたこともあるようです。
上述の通り、小田急時代は乗客用扉が1か所しか無かったので関東鉄道に来た際に2か所増設されて3扉化されています。増設した扉が外吊り式と言うのは少々横着だと思いますが、改造の手間を最小限に抑えようとしたのと、もう一つには普通の引き戸にしない事で車体強度の低下を抑えようと言う意図もあっての事なんでしょう。
相変わらず私の曖昧な記憶に基づく話なので恐縮ですが、下館方の乗客用扉は製造当初からのものがそのまま使用されています。車体中央と取手方の乗客用扉は増設された外吊り式です。
上の写真の車輛は関東鉄道キハ751。1984年(昭和59年)1月、関東鉄道常総線取手(とりで：茨城県取手市)駅にて撮影。
上の写真の車輛は関東鉄道キハ752。1988年(昭和63年)3月、関東鉄道常総線水海道(みつかいどう：茨城県水海道市)駅にて撮影。
小田急電鉄キハ5100型→関東鉄道キハ753型
Mar 2, 2007.
関東鉄道キハ753型はこちらもキハ751型と同様に小田急電鉄出身の国鉄御殿場線乗り入れ用気動車ですが、改良型のキハ5100型の方です。キハ5000型の方は乗車定員を相当頑張ってしまったのでシートピッチが狭く不評であったため、キハ5100型の方はそれに比べるとかなりゆとりのある窓配置になっています。ロングシート化してしまえばどうでも良いような話ですが、、、。
この車輛もキハ751型と同様に外吊り扉で出入り口が増設されており、3扉化されています。増設された位置も同じく車体中央と取手方の運転台直後で、下館方の乗客用扉は製造された当時のままのものを使用しています。
上の写真の車輛は関東鉄道キハ753。1988年(昭和63年)3月、関東鉄道常総線水海道(みつかいどう：茨城県水海道市)駅にて撮影。
南海電鉄キハ5505→関東鉄道キハ755型
June 1, 2016.
関東鉄道キハ755型は、南海電鉄出身のキハ5501型の内のキハ5505を4扉化改造した車輛です。気動車なのに4扉とは異例の存在ですが、車体中央に排気管があるために3扉化出来ない、、、やって出来なくはないのでしょうが、相当に手間を掛けて排気管を移設して扉配置を均等化するか、扉配置が不均等なのを我慢して排気管を避けて車体中央付近に扉を増設するか、、、その辺りの不細工化？を避けるために4扉にしてしまったと言う曰く付きの異色車輛です。元々は国鉄の準急用気動車キハ55の同型車で、紀勢本線乗り入れに使用されていた車輛です。
上の写真の車輛は関東鉄道キハ755。1988年(昭和63年)3月、関東鉄道常総線水海道(みつかいどう：茨城県水海道)駅にて撮影。