大井川鉄道チキ300
Apr 1, 2015.
大井川鉄道チキ300は材木運搬用に国鉄から払い下げを受けたフラットカーです。元をただせば鉄道省が1919年(大正8年)から450輛程を量産した車輛で、台車はTR16です。この種の和製アーチバー台車はTR20のように枕バネが板バネになっている場合が多いですが、このTR16台車は嬉しいことにコイルバネになっているので正しくアメリカ型的外観です。大井川鉄道が国鉄から払い下げを受けたのは4輛ですが、2輛は名鉄に譲渡し、1輛は大井川で廃車になって解体され、残っているのは下の写真のチキ303のみだそうです。
この手の車輛は車籍なんか無くても保線機械扱いでレール状に残存させておけば良かろうと思うのですが、解体してしまったとはなんとも勿体ない話です。端梁の部分に、左右対称に丸い穴が開いていますが、これはバッファを取り付けてあった穴だと考えて間違いないようです。
このチキ303は1921年(大正10年)に製造されてざっと90年は経過しているのですから、今となっては明治村にでも収納したいような貴重な存在です。
上の写真の車輛は大井川鉄道大井川本線チキ303。2010年(平成22年)10月、大井川鉄道大井川本線新金谷(しんかなや：静岡県島田市)駅にて撮影。