パナソニック・EZT510X(電動ジグソー)
Nov 1, 2025.
パナソニック製のEZT510Xと言う型番の電動ジグソーです。同じくパナソニック製の充電式電動サンダーEZT511Xとほぼ同時期の発売で、多分2008年(平成20年)春の新製品だったと思います。従来のパナソニックの工具の品揃えは庭木の剪定用充電式電動バリカンなどと言うものがあるのにも拘わらず電動サンダーと電動ジグソーが無くて、この点のみが大いに不満でしたが、EZT510X(電動ジグソー)とEZT511X(電動サンダー)の二機種が発売されたお陰で、この不満はほぼ解消されました。尤も、私が買い求めたのは発売直後だったので、メーカーロゴがナショナルになっている時期のモノです。
買った目的は(1)スピーカーを自作する際にエンクロージャー(≒キャビネット)のバッフル板にスピーカーユニットの穴あけをする事、(2)レイアウトに池を作るための穴あけでもしようか、とまぁ、大した目的があって買い求めたのではなかったように記憶しています。ほぼ「安く売っていたから買った」と言うような低い志で買ったような記憶があるのですが、安物故に小型軽量なので取り回しが楽であると言う利点があります。この辺りはほぼ詭弁でしょうなぁ。
電池パックは付属していないので手持ちのものを取り付けて撮影してみました。写真はリチウムイオン電池の「EZ9L31」を取り付けて撮影していますが、ニッケル・カドミウム電池の「EZT901」も使用も可能です。元来、このジグソーが新製品として発売されていた頃にはニッカド電池の方をセットにして販売していた筈ですから。
電池の電圧はニッカド電池の「EZT901」が12Vであり、
リチウムイオン電池の「EZ9L31」は10.8Vです。
この辺りは他社製の電動工具などでも同様です。リチウムイオン電池の方が高額であることも同様です。製品には木工用のジグソー刃が一本付属してくるのですが取り付けてしまうと撮影しにくいので、このコンテンツの写真は概ね未装着で撮影しています。
パナソニック充電式電動ジグソーEZT-510X。
パナソニック充電式電動ジグソーEZT-510X。
左下の刃物台？の近くに黄色いツマミが見えていますが、これはオービタル量を変えるツマミです。「オービタル量」と言うのは電動ジグソーなのですから刃先が上下することは当然ですが、その際に前後方向に刃先を振らせる運動量のことです。柔らかい材料を切断する際にオービタル量が多ければ早く切断することができますが、反面、切断面は綺麗ではなくなって行きます。硬い材料を切断する際にはオービタル量を減らして作業し、切断面の綺麗さはその逆、と言うことになります。穴径の小さい作業をするような場合も、オービタル量を減らす、と言うことになります。
パナソニックの充電式電動ジグソーEZT-510Xの裏面、と言うか、切断する材料に接触する面です。中央の銀色の部分には黒い六角のキャップボルトがあって、このキャップボルトを緩めて締め直す事で切断する角度を変えることができます。最大限傾けると45度まで傾斜させることができますので、必要にして充分です。
当たり前ですがこのジグソーで実用に使える裁断範囲はベニヤ板で20mm厚程度までです。あと、ジグソーと言うのは見方を変えれば刃の幅の狭いレシプロソーの一種に過ぎませんので作業効率は丸ノコに比べたら当然見劣りします。この辺は割り切らないと駄目ですね。但し、習慣として作業者の腕の延長方向に刃先が出入りするものをレシプロソーと呼んで、この機械のように作業者の腕に対して直角に？刃先が出入りするものをジグソーと呼ぶようです。
通常、レシプロソーと呼ばれる機械はジグソーよりもかなり切断能力は高いようです。例えば、普通の鉄筋は直径9mm程度ですが、鉄筋をレシプロソーで切ることはしても、ジグソーで鉄筋を切ろうなんて考えるのは、私のような大胆不敵で図々しい素人ばかりのようです。本職の人だったら、レシプロソーが必要な用途の仕事をするならばレシプロソーを買ってくれば済むことですから、無理してジグソーで頑張る必要は何処にもありません。買わなくたって、レンタル工具会社は幾らでもありますから電話して依頼すれば直ぐに届けてくれます。
機械そのものが小さいので当然ですが、ジグソーと言うのは「弦鋸(ツルノコ)」の延長のようなものです。あくまでも細かい造作が前提の工具ですから、歌舞伎の荒事のような作業は無理です。特に「角度切り」と言うのか、切断面を45度一定にして切るような作業は、刃先の剛性が低いので満足の行く仕上がりにする事は些か難しいでしょう。その反面、剛性が低いことを利用して刃先を撓わせながら切って行くような芸当は、まさにジグソーの独壇場です。
パナソニックの電動ジグソーEZT-510Xのジグソー刃取り付け部。
パナソニックの電動ジグソーEZT-510Xのジグソー刃取り付け部。
ジグソー刃自体は、ごく普通に一般的に市販されているものが使用できます。ボッシュ方式と言うのか、ジグソー刃の根元の部分がノッチ状になっていてレバー操作だけで交換することが出来ます。確か、ボッシュ、マキタ、ハイコーキ、リョービがこの方式だった筈なので、何処でも容易に入手できる仕様の製品ですから大変ありがたいです。元来パナソニック、、、と言うかナショナルは電動工具で大したシェアがある訳ではないので、この種の交換が必要になる部品で無駄に頑張ってくれると非常に迷惑です。寄らば大樹の陰と言うか、体制側についてくれて有難い限りです。下にお目に掛けるのが、最近使っているジグソー刃です。
上の写真はパナソニックの電動ジグソーEZT-510Xで使えるジグソー刃で、個人的に最近使っているモノです。兵庫県三木市に本社を構える神東(しんとう)工業株式会社(http://www.shinto-kk.co.jp/index.htm)の製品です。拙宅近くのホームセンターコーナンで、何時でも容易に買い求めることが出来るのは有難い限りです。「パナソニック製品(ナショナル製品)に使える」とは何処にも書いてありませんが、全く支障なく使用可能です。
パナソニックの電動ジグソーEZT-510Xにジグソー刃を取り付けると、ご覧のような状態になります。レバー式で、脱着は指先だけで行うことが出来ます。実に簡単・確実な仕掛けです。
丸ノコガイドを使う
Nov 1, 2025.
「ジグソーガイド」ではなくて「丸ノコガイド」です。板材を並行に裁断するための工具です。但し、この程度の工具ではあくまでも「ガイド」に過ぎず、余り高い精度は期待できないと思います。冒頭に「買った目的は(1)スピーカーを自作する際にエンクロージャー(≒キャビネット)のバッフル板にスピーカーユニットの穴あけをする事」と言うような事を書きましたが、ケガキ線を描いただけの状態でスピーカーユニット取付用の穴あけをしてもロクな穴開けは出来ません。そこで思い付いたのが「丸ノコガイド」と言う名前で販売されている商品を応用してコンパス的に使えば綺麗な正円の穴開けに使えないかと言う事です。
穴開け用の工具と言うと神沢鉄工(かんざわ・てっこう)の「自由錐」と言う商品が有名で、私もこれを入手しようと思っていたのですが生憎拙宅から半径100km程度の範囲では私の希望するサイズのモノを見て買うことが出来ません。一体何の目的で買うのかと言うと、小半径の木製道床を作るために使おうと言う事です。今更木製道床と言うのもアレですが、子供の時に親父が作ってくれて以来他の方式・構造のモノは余り使いたくありません。それもOナロー用の小半径のモノなんて販売された記憶が無いので自分で作るしかありません。結局、多少の無理は承知で思い付いたのが丸ノコガイドを転用しようと言う事です。
パナソニックの電動ジグソーEZT-510Xに使える丸ノコガイド、此処でご覧戴いている品物は有限会社山谷製作所(https://www.rokube-tool.com/)と言う会社が「六兵衛」ブランドで販売しているモノです。これは偶然見つけたと言うか、電動ジグソーEZT-510Xの先端が薄い帯金を挿入するような構造になっているのでなんとか突っ込めるような品物は無いのか？と思って探したら嬉しい偶然にも辿り着いたような次第です。どうも、この辺りの寸法は各社の丸ノコ・ジグソー共に自然発生的共通規格になっているのではないかと思います。
パナソニックの電動ジグソーEZT-510Xに使える山谷製作所製の丸ノコガイドを取り付けるとこんな感じになります。この状態で、左端の金物を取り外せばコンパス的？に使えるようになるので、丸いドーナツ状の輪っかを切り出す事が可能です。横着するつもりならば、左端の金物は取り外さなくてもなんとか使えます。ドーナツを適宜裁断してやれば木製道床が出来上がります。この手法で、半径300mm程度のモノを作ってやろうと思っております。実は2025年(令和7年)の秋に行われた軽便鉄道模型祭に出品物を運ぶ仕事をお受けしていまして、その方のお誘いで2026年(令和8年)にはOナローの一群を出品する予定で動き始めています。急に電動ジグソーEZT-510Xを弄り始め他のは、そんな背景があったからの事です。