伊予鉄道610系
伊予鉄道610系は1995年(平成7年)にアルナ工機で製造された車輛で、伊予鉄道としては初のステンレス車輛です。3扉ロングシートの通勤用車輛としては、ワンマン運転用では無いにもかかわらず妙に乗客用扉が車端部に片寄っていますが、同じアルナ製の東武鉄道20000系と共通設計と言うか、見込み生産をして余ってしまった東武鉄道20000系の車体を利用(流用？)したと言う都市伝説？がありますが、間違いなく全く別の車輛です。恐らくはアルナに18m級電車の製造を相談？した際に、納期短縮のために設計の流用を勧められたとか、その程度のことではないかと思われます。
型式番号がちょっと半端になっていますが、これは自社発注の鋼製車の600系が以前に在籍していたから、それに続く車輛として型式番号を付けたからのようです。クモハ相当のモハ610型とクハ660型が各2輛づつあり、下1桁の数字の同じ車輛同士が背中併せに2輛編成を組みます。モハ610型が高浜・郡中港向き、クハ610型が横河原向きです。現状では高浜線・横河原線で使用されており、通常は郡中線には入らないようです。パンタグラフはシングルアームのものが1基のみモハ610の連結面寄りに搭載されています。
上の写真の車輛は伊予鉄道モハ612＋クハ662。2009年(平成21年)3月、伊予鉄道高浜線大手町(おおてまち：愛媛県松山市)駅にて撮影。
上の写真の車輛は伊予鉄道クハ661＋モハ611。2009年(平成21年)3月、伊予鉄道松山市(まつやまし：愛媛県松山市)駅にて撮影。
上の写真の車輛は伊予鉄道クハ662＋モハ612。2009年(平成21年)3月、伊予鉄道高浜線古町(こまち：愛媛県松山市)駅付近にて撮影。
610系の履く、FS340台車です。東武鉄道の廃車になった2000系が履いていた発生品台車のようです。700系などにも、1372mmゲージから1067mmゲージに改軌する際に、この台車を履かせた車輛があります。