伊豆箱根鉄道7000系
Nov 1, 2023.
伊豆箱根鉄道7000系は快速用として新造された転換クロスシートの車輛で、両端のクモハ7100とクハ7500が3扉、中間電動車のモハ7300が2扉です。1991年( 平成3年)と1992年(平成4年)に1編成づつ、合計2編成6輛が製造されています。改造とか、途中からの設計変更ではなく、快速運用の際に中間車は座席指定車として使用することが目的だったようです。「快速の指定席」と言うと現状の伊豆箱根鉄道には無縁のような印象がありますが、実は以前の185系時代の「踊り子」の三島方3輛は指定席・修善寺方2輛が自由席で、通学定期以外であれば、単なる普通乗車券でも乗車できるようにして毎日運転されていましたから、あながち突拍子もない運用ではありません。「踊り子」は名称は「特急」ですが、実質的には「指定席車を連結した快速」でしたから。
但し、実際問題として全線通しで30数分の路線で快速専用の指定席車を新造しても余り需要が期待できなかったようです。普通に使っている車輛で「指定席車にも使える」のであれば使いようもあったのでしょうが、通勤需要の多い路線で「2扉車」「全クロスシート」の車輛は使い勝手が悪くて適わないと言った処でしょうか？。快速自体の運用も中止されて7000系は2編成が製造されただけに止まっています。現在では他の系列と同様に普通列車用の変な電車？として使用されていますが、指定席云々と言った厄介事への対応はJR所有の車輛で済ませることに方針を換えた結果として現在に至っているのではないかと思われます。そのせいもあってか、3000系の第5編成が1987年(昭和62年)に製造された後に7000系が製造されてはいるものの、1997年(平成9年)になると同じく3000系の第6編成が製造されています。
編成は三島(みしま)方からクモハ7100＋モハ7300＋クハ7500の2M1T編成で、この辺りのクハが必ず修善寺方を向く編成の組み方は最近の伊豆箱根鉄道の他の車輛と同様です。もっとも、直流の電車で3連貫通編成にすれば、大抵の場合はクモハ＋モハ＋クハの編成になるとは思いますけど。型式番号が200番刻みになっているのは、「踊り子」同様の5連化を夢見た結果なのでは？。
上の写真の車輛は伊豆箱根鉄道クモハ7100型クモハ7101。2011年(平成23年)11月、伊豆箱根鉄道駿豆線大場(だいば：静岡県三島市)駅にて撮影。この車輛は電動車ですが、パンタグラフは持っていません。
上の写真の車輛は伊豆箱根鉄道クモハ7100型クモハ7102。2017年(平成29年)6月、伊豆箱根鉄道駿豆線韮山(にらやま：静岡県伊豆の国市)駅にて撮影。
上の写真の車輛は伊豆箱根鉄道クモハ7100型クモハ7102他3連。2020年(令和2年)11月、伊豆箱根鉄道駿豆線伊豆長岡(いずながおか：静岡県伊豆の国市)駅にて撮影。
上の写真の車輛は伊豆箱根鉄道モハ7300型モハ7301。2020年(令和2年)11月、伊豆箱根鉄道駿豆線伊豆長岡(いずながおか：静岡県伊豆の国市)駅にて撮影。中間電動車で、この車輛に下枠交差型パンタグラフが2基搭載されています。7000系でパンタグラフを持つのはこの車輛のみ、2扉の車輛もこの車輛のみです。
上の写真の車輛は伊豆箱根鉄道クハ7500型クハ7501他3連。2011年(平成23年)11月、伊豆箱根鉄道駿豆線大場(だいば：静岡県三島市)駅にて撮影。伊豆箱根鉄道7000系の中では唯一の付随車です。尤も、それを言い出してしまうとモハ7100は唯一の制御電動車だし、モハ7300は唯一の中間電動車ですから果たしてこんな事を書く意味があるのやら、、、。僅かでも美点を見つけ出してその点を褒めてやるのは子育てや、配偶者獲得の極意の一部とご高配ください。
上の写真は伊豆箱根鉄道モハ7300型モハ7301の車内です。転換クロスシートで、京浜急行の快速特急用電車のような雰囲気です。2020年(令和2年)11月撮影。
上の写真は伊豆箱根鉄道クハ7500型クハ7501の車内です。運転台直後の、所謂「被り付き席」はありません。2020年(令和2年)11月撮影。